──「数字が見える」と、人も組織も変わり始める
・なぜ「収益」だけを見ても経営改善につながらないのか
・部門別採算で“生産性”を可視化する具体的な考え方
・Excelから始める、現場を動かす見える化の第一歩
医療・介護経営において、「収益がいくらだったか」という数字だけでは、経営の健全性は見えてきません。
収益が高い部門=経営に貢献している部門とは限らないからです。
たとえば、収益は高くても人員やコストを過剰に投入していれば、黒字どころか赤字になっているケースもあります。
反対に、収益は多くないが効率的な人員配置で、少ないリソースから安定した利益を生み出している部署も存在します。
そこで重要になるのが、「生産性=限られた経営資源でどれだけ利益を生み出しているか」に注目すること。
これを明らかにするのが、部門別採算管理の考え方です。
▶ 関連コラム:部門別採算がうまく機能しない理由──医療DXで変わる管理会計
部門別採算とは、各部署や機能単位で「収益」「直接経費」「間接配賦コスト」などを整理し、貢献利益(粗利)や利益率を可視化する仕組みです。
たとえば、以下のような数値が把握できます:
外来部門A:月間収益200万円-部門経費160万円 → 貢献利益40万円
外来部門B:月間収益120万円-部門経費80万円 → 貢献利益40万円
どちらも利益額は同じですが、「一人当たり貢献利益」が異なれば、改善のアプローチはまったく違ってきます。
このように、単なる「売上」ではなく、「生産性=コストとのバランス」まで見えることが重要なのです。
違いは「収益を見るか」ではなく、「構造を見るか」です。

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部門別採算は、経営層だけが見る数字ではありません。
むしろ、現場の管理者やスタッフと共有することで、主体的な改善行動を促すツールになります。
「自分たちの部門は、今どれくらい利益に貢献できているか」
「人員配置や稼働の工夫で、生産性をもっと高められないか?」
「稼働率の低下が続いている。どう立て直すか?」
こうした**“問い”と“気づき”が生まれる場**をつくることで、数値は単なる管理指標ではなく、「現場を動かす言語」になります。
また、現場の頑張りが可視化されることは、組織への貢献を実感する機会にもなります。
仕組みの導入に対して、「現場の萎縮を招くのではないか」と懸念する声もあります。
しかし、ポイントは“数字をどう使うか”です。
攻めるためではなく、現状を正しく知るため
競わせるのではなく、気づきを促すため
罰するのではなく、支援の優先順位をつけるため
このように、“支援型の数字”として活用する姿勢が、健全な組織文化と改善行動を生みます。
▶ 関連コラム:Excelで始める管理会計:レセプトと経費をどう紐づけるか
本格的な管理会計システムを導入する前に、Excelで部門別採算の原型をつくることは十分可能です。
おすすめのスタート:
月別・部門別で【収益】【人件費】【材料費】【貢献利益】を並べるシンプルな表
職員1人あたりの貢献利益、1件あたり単価などの簡単なKPIを設定
月1回のミーティングで、数字の変化を全体で確認・対話
このような「見える化の習慣」が、継続的な経営改善の文化を組織に根づかせます。
厳しい制度改定の波が続くなか、医療・介護経営では「選択と集中」の意思決定が求められています。
そのとき、収益だけでなく、生産性を可視化する「部門別採算」という視点を持つことが、大きな差を生みます。
「見える化」は、コスト削減のためではありません。
持続可能な経営を実現するための、“構造を捉えるためのツール”です。
それは、努力ではなく「構造」で経営を動かすための基盤です。
当社では、部門別採算表の設計支援、スタッフ向けの“数字の読み方”研修、改善会議の設計支援などを通じて、現場の納得と行動を促す仕組みづくりをサポートしています。
まずは、
「いま自院は生産性をどう見えているか?」を整理するところからでも構いません。
「収益を増やす」ではなく、「部門別採算で生産性を構造的に見る」経営へ。
その第一歩を、一緒に設計しませんか。
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