医療・介護業界では、地域連携室や営業担当が配置されるケースが増えています。病院では紹介患者の獲得、介護施設では利用者の確保のために、関係機関への訪問や情報共有を担う専門部署が機能しています。
しかし現場からは「担当者に任せきりで、他の職員は関わらない」「経営層は数値だけを見て、活動の実態を把握していない」といった声も聞かれます。これでは、地域との接点が個人に依存し、異動や退職があれば途切れてしまうリスクがあります。
地域連携は、**担当者個人の営業力ではなく、組織全体で築く“仕組み”**として捉える必要があります。
地域との接点を“経営課題”として捉えると、その意義は大きく変わります。
安定した紹介・利用者獲得の基盤
紹介件数の増減は、経営に直結する重要指標です。担当者任せではなく、全職員が「どのように紹介につながっているか」を意識することで、成果が安定します。
地域でのブランド形成
地域包括ケアの時代においては、医療・介護機関の信頼度そのものがブランドです。経営層が地域への発信方針を示し、職員が一貫した姿勢で対応することが、長期的な選ばれる理由になります。
多職種連携の深化
営業担当だけでなく、医師・看護師・ケアスタッフ・相談員がそれぞれの立場で地域と接点を持つことで、関係性は多層的になり、途切れにくいネットワークへと発展します。
経営視点から地域連携を強化するには、属人的な活動を仕組みに変換することが不可欠です。
KPI設計と可視化
「紹介件数」「訪問回数」だけでなく、「紹介元別シェア」「訪問後の紹介発生率」といった質的な指標を導入し、定例会議で共有する。
CRM(顧客関係管理)の活用
訪問履歴や面談内容を記録・分析できる仕組みを整え、担当者が変わっても情報が引き継がれる体制をつくる。
現場スタッフの巻き込み
看護師が地域の勉強会に参加する、リハビリスタッフが地域住民に健康指導を行うなど、職員全員が地域との接点を持つ仕組みを設ける。これにより「紹介は営業担当の仕事」という意識を払拭できる。
経営層のメッセージ発信
院長・施設長が地域の会合や広報に積極的に登場することで、組織全体の姿勢を示し、信頼性を高める。
地域連携は、担当者の営業スキルだけに依存するものではなく、組織全体の文化として根づかせる必要があります。接点が多層的に存在することで、紹介や利用につながる基盤が安定し、長期的なブランド価値も高まります。
当社は、医療・介護事業者向けに、
地域連携のKPI設計・CRM導入支援
職員全体を巻き込む仕組み化の設計
経営層の戦略的な発信サポート
を行っています。机上の理論ではなく、実際に地域で成果を出すための伴走支援が私たちの強みです。
「担当者任せの営業から脱却したい」と考えるときこそ、経営視点での接点づくりを一緒に始めてみませんか。