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診療報酬改定は“経営のメッセージ”

制度改定は「経営の方向性」を示すメッセージ

診療報酬改定が発表されるたび、どの病院でも「点数が上がった」「下がった」といった声が飛び交います。
しかし、報酬の増減だけを見ていると、本質を見誤ります。

診療報酬は単なる“価格表”ではありません。
そこには、国が「どの医療に力を入れてほしいか」というメッセージが込められています

たとえば近年では、

  • 入退院支援や多職種連携に点数がつくようになった背景には、在宅移行や地域包括ケアを進めたいという国の方針があります。

  • 短期滞在手術の評価拡充は、医療資源の効率化と患者のQOL向上の両立を狙っています。

つまり、点数の裏には政策の意図と経営のヒントがあるのです。

経営者に求められる「読む力」と「動く力」

診療報酬は、国から病院経営者への“ラブレター”であるとも言えます。
重要なのは、それを**読み解く力(政策解釈力)**と、**院内を動かす力(実行力)**です。

以下は、改定を「経営の武器」にするための視点です。

  • 点数の“増減”ではなく、“意図”を読み取る

なぜこの加算が新設されたのか?
なぜこの項目は引き下げられたのか?
──背後の国の方針を読むことで、自院の今後の重点施策が見えてきます。

  •  自院の実績と照らし合わせて“取りに行ける点数”を選ぶ

すべての加算を狙う必要はありません。
むしろ、「既に取り組んでいるが未申請の加算」や、「小さな仕組み変更で届く加算」にこそチャンスがあります。

  •  加算の有無ではなく“院内体制づくり”に注目

たとえば、入退院支援加算を取得するには、多職種カンファレンスや看護師の役割分担が必要になります。
これは単なる加算対応ではなく、チーム医療と連携強化を促進するきっかけにもなるのです。

診療報酬は“仕組みを変えるチャンス”になる

制度の変更は、現場にとって「負担」ではなく、「変革の契機」でもあります。

  • 看護必要度の算定が変わる
    → 評価に合う記録・業務プロセスを整える中で、スタッフ間の情報共有が深まる

  • 入院医療の包括評価が広がる
    → 収益ではなく生産性(人時単価)やアウトカムに目を向けたマネジメントへ転換する契機になる

制度対応は、経営の“口実”にもなります。
トップダウンでは難しい組織改革でも、「制度改定に対応する必要がある」という大義があれば、現場を動かしやすくなります。

制度と現場の“間”をつなぐ力が問われる時代

診療報酬改定は、単なる収益の増減ではなく、国からの経営メッセージです。
それを読み取り、自院のビジョンと重ね合わせ、現場と対話しながら形にしていく。
この一連のプロセスが、変化に強い医療機関づくりの第一歩となります。

当社では、診療報酬改定をふまえた「経営目標の再設定」や「業務フロー設計」「部門別採算と人件費分析」など、実践的な経営支援を提供しています。

制度を「読む力」と「活かす力」を、現場の変革に結びつけていきませんか?

2025.8.4