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評価は“査定”ではなく“成長支援”

──現場で機能する人事制度とは

「評価」が目的化していませんか?

医療・介護業界で人事制度の見直しを検討する法人が増えています。
その背景には、「頑張っている人が報われない」「ベテランと新人の差が評価しづらい」「評価が形骸化している」といった現場の声があります。

そもそも、人事評価とは職員の成長を促すための仕組みであり、給与を決めるための“査定”ではありません。
にもかかわらず、評価面談が「点数をつける場」になってしまうと、評価制度は“モチベーションを下げる制度”に転じてしまいます。

「評価はするが、育てない」──この構造を変えなければ、現場の力は伸びません。

現場で機能しない評価制度の特徴

評価制度が形だけになっている組織には、いくつかの共通点があります。

  1. 基準が抽象的で、人によって解釈が違う
     「協調性がある」「積極的に取り組む」などの評価項目は、一見わかりやすいようで曖昧です。
     結果として、評価者の主観が強くなり、納得感が失われます。

  2. 目標設定が「業務の延長」にとどまっている
     日々の業務をそのまま目標にしてしまうと、挑戦が生まれません。
     “現状維持”が目標化することで、成長機会を自ら奪ってしまいます。

  3. 評価後のフォローがない
     面談を行っても、翌日から何も変わらない──この状態では、職員にとって評価は「形だけの儀式」です。
     制度が機能するためには、評価→振り返り→支援→再設定のサイクルが不可欠です。

「成長支援型」人事制度の3つの仕組み

評価制度を“査定”から“成長支援”へと転換するには、次の3つの要素が鍵となります。

  1. 職種ごとの行動基準を明確にする
     看護師・介護士・事務職など、職種によって求められる役割は異なります。
     それぞれの職種に応じて、「成果」ではなく「行動と姿勢」を軸に基準を設定することが、納得感を高める第一歩です。

  2. 面談を“評価の場”から“対話の場”に変える
     面談では、点数を伝えるよりも「どう成長したか」「次に何を伸ばしたいか」を話す時間を重視します。
     この“対話型フィードバック”こそが、モチベーション向上の源です。

  3. 上司が“育成者”として機能する
     管理職の役割は「評価をつける人」ではなく、「部下の成長を支援する人」です。
     部下の課題を共に考え、行動計画に落とし込む。
     この一連のプロセスが、評価制度を“生きた仕組み”に変えます。

制度が人を育てるのではなく、人が制度を活かす

人事制度は、導入した瞬間に効果が出るものではありません。
重要なのは、制度を通じてどれだけ“人を育てる文化”をつくれるかという視点です。

当社では、医療・介護事業者向けに

  • 職種別行動評価基準の設計支援

  • 対話型面談(1on1)導入研修

  • 管理職向け“育成マネジメント”トレーニング
    を通じて、評価制度を「成長支援の仕組み」へと変えるご支援を行っています。

制度が人を縛るのではなく、人が制度を活かす。
そんな組織文化をつくることが、これからの医療・介護現場に求められています。

2025.12.8